新築やリフォームで和室の畳選びに頭を悩ませていませんか。
一条工務店の標準仕様から和紙畳、イグサ、琉球畳、ヘリ付きとヘリなし、半畳の扱い、床暖房対応の可否まで判断材料が多く、迷うのは当然です。
本記事はそれらの違いをわかりやすく比較し、費用と見積もり内訳、施工時の間取り注意点や長期メンテナンスのポイントまで丁寧に整理します。
具体的には標準仕様の概要、畳種類ごとの特徴、色や表面仕上げの選び方、床暖房対応可否、追加オプション一覧を順に解説します。
最後に導入判断の最終チェックも用意しているので、最適な畳プランを固めたい方は続きをご覧ください。
一条工務店 畳の選び方と導入ポイント

一条工務店で畳を選ぶ際に押さえておきたい基本ポイントを分かりやすくまとめます。
ここでは標準仕様の内容から素材ごとの特徴、寸法やオプションまでを順に解説いたします。
標準仕様の概要
一条工務店の標準仕様は和紙畳が中心で、耐久性とメンテナンス性を重視しています。
表面は日焼けしにくく、傷や汚れが付きにくい加工が施されていることが多いです。
畳床は合成素材やわら床の選択肢がありますので、好みや予算に応じて変更可能です。
和紙畳の特徴
和紙畳は天然のイグサと比べて色落ちしにくく、長期間見た目を保ちやすいです。
撥水加工や防汚加工がされているため、小さなお子様やペットがいる家庭にも向いています。
ただし、風合いや香りは本物のイグサに劣る場合があるため、見た目と感触のバランスを確認してください。
ヘリ付きとヘリなしの違い
ヘリ付き畳は畳縁で端部を補強する伝統的な仕様で、和のアクセントを楽しめます。
一方でヘリなし畳はモダンでフラットな見た目になり、リビング続きの空間にも馴染みやすいです。
ヘリの有無によって掃除のしやすさや張替え時の費用感が変わりますので、生活スタイルを基準に選んでください。
畳寸法と半畳の扱い
一条工務店で採用される畳の寸法は地域やプランにより微差が出ることがありますので、最終図面で必ず確認してください。
和室のレイアウトや襖、床の高さとの関係で半畳を組み合わせることが多く、可変性が高い選択肢です。
タイプ | 寸法例 |
---|---|
一畳 | 1760×880 |
半畳 | 880×880 |
変形サイズ | 小上がり用カット対応 |
設計段階で寸法を決める際は建築上の誤差や畳の厚みも考慮して余裕を持った採寸をおすすめします。
色と表面仕上げの選定
畳の色は伝統的な緑系からベージュ、グレーまで幅広く用意されていますので、インテリアとの調和を最優先してください。
表面仕上げはマットな質感と光沢のあるタイプがあり、光の入り方で見え方が変わります。
サンプルを実際に取り寄せて、室内の光や家具との相性を確認することが失敗しないポイントです。
床暖房対応の可否
床暖房を採用する場合は畳材の熱伝導性や厚みに注意する必要があります。
一条工務店の床暖房対応畳は専用の畳床や表面材が用意されており、安全かつ効率的に暖房が伝わるよう設計されています。
ただし、和紙畳でも床暖房非対応の製品がありますので、必ず「床暖房対応」表記の有無を確認してください。
追加オプション一覧
一条工務店では以下のような追加オプションが用意されていることが多いです。
- 縁付き高耐久畳表
- 抗菌防カビ加工
- 防水仕様の和紙畳
- 厚床や遮音床へのアップグレード
- 縁なしデザイン畳の採用
オプション選びは初期費用が増える反面、メンテナンス性や長期コストの低減につながります。
導入前に優先順位を明確にして、営業担当と具体的な仕様を詰めてください。
一条工務店で選べる畳の種類

一条工務店では素材や形状の異なる複数の畳を標準やオプションで選べます。
和室をどのように使いたいかで最適な畳は変わりますので、特徴を押さえておくと後悔が少なくなります。
和紙畳
和紙畳は合成ではないが加工された紙素材を用いた畳表で、耐久性と色落ちのしにくさが特徴です。
水や汚れに強い表面処理が施されているため、子育て世帯やペットのいる家庭にも向いています。
見た目は綺麗でカラーバリエーションも豊富なため、洋風インテリアにも合わせやすいです。
一方で、天然い草の風合いが好みの方には物足りなさを感じる場合がある点は留意してください。
イグサ畳
イグサ畳は天然い草を用いる伝統的な畳で、香りや肌触りが魅力です。
- 自然素材の風合い
- 通気性と吸湿性
- 独特の香りでリラックス効果
- 定期的なメンテナンスが必要
- 直射日光で色あせしやすい
天然素材ならではの良さがあり、和の雰囲気を重視する方に人気があります。
ただし、掃除や乾燥などの手入れを怠るとカビやダニの発生リスクが高まりますので注意が必要です。
琉球畳
琉球畳はヘリなしで目の詰まった短いイグサを使用することが多く、重厚でモダンな印象を与えます。
通常は半畳サイズで敷き詰めるデザインが主流になっており、和モダンな空間づくりに適しています。
厚みや硬さの違いで座り心地も変わりますので、実物に触れて確認すると良いでしょう。
価格は一般的な和紙畳やヘリ付き畳より高めになることが多く、コスト面の検討が必要です。
ヘリ付き畳
ヘリ付き畳は畳の端に布製の縁が付いた伝統的な仕様で、保護性と見た目のアクセントを兼ね備えています。
ヘリの柄や色を選べば和風らしさや洋風のアクセントを出すことができます。
縁があるために端の傷みを抑えやすく、張替え時にも縁だけ交換する選択肢が取りやすいです。
ヘリなし畳
ヘリなし畳は縁がないため、すっきりとしたモダンな見た目が特徴です。
継ぎ目の精度や施工技術が見た目に直結するため、施工時の仕上がり確認が重要になります。
ヘリなしは洋間とつながる空間や小上がりなど、インテリアを重視する場所で特に人気があります。
半畳タイプ
半畳タイプは畳一枚のサイズを半分にしたもので、敷き方で多様なデザインが可能です。
間取りに合わせて部分的に採用したり、市松敷きでアクセントを作ったりできます。
タイプ | 寸法例 | 特徴 |
---|---|---|
半畳 | 約88cm×88cm | デザイン性重視 |
一畳相当 | 約176cm×88cm | 伝統的配置 |
琉球半畳 | 約90cm×90cm | モダンな表情 |
半畳はレイアウト次第で部屋の印象を大きく変えることができますので、施工前にサンプルを並べて検討することをおすすめします。
素材ごとの費用やメンテナンス性、床暖房との相性も異なりますので、複数の候補を比較して選んでください。
費用と見積もり内訳

一条工務店で畳を導入する際の費用構成と見積もりの見方を、わかりやすく整理してご説明します。
本体価格
畳本体の価格は素材とサイズで大きく変わります。
畳種類 | 表示サイズ | 目安価格 |
---|---|---|
和紙畳 | 1畳 | 約3万〜6万円 |
イグサ畳 | 1畳 | 約4万〜8万円 |
琉球畳 | 半畳 | 約2万〜5万円 |
上の表はあくまで目安で、色や表面仕上げによって差が出ます。
同じ和紙畳でもグレードや柄で価格帯が変わるため、見積もり時に仕様を明確にしておくことが重要です。
施工費用
施工費には運搬費、敷き込み作業、微調整などが含まれます。
標準的な敷き込みであれば1畳あたりの施工費は地域や業者で差が出ますが、数千円から1万円台が一般的です。
新築で一緒に施工する場合はパッケージ価格が適用されることがあり、個別発注より割安になる場合があります。
段差の調整や小上がりの造作があると追加費用が発生しますので、間取り決定時に業者とすり合わせをしてください。
追加オプション費
オプションは選び方で満足度が変わりますが、費用も積み上がります。
- 畳表のグレードアップ
- 防汚コーティング
- ヘリのデザイン変更
- 小上がり収納の追加
- 縁なし(琉球)仕様
オプションは一つずつ単価が設定されることが多く、トータルで数万円から数十万円の差が出ることがあります。
床暖房対応費
床暖房対応畳は素材の選定や裏地処理が必要で、追加費用がかかります。
床暖房下に使用する場合は熱伝導や耐久性を考慮した仕様にする必要があり、通常の畳より高めの価格設定になります。
一条工務店のシステム暖房との組み合わせでは、施工手順や固定方法に特別な指示が出ることがあるため、見積もり段階で確認してください。
張替え費用
張替えは経年劣化や汚れで必要になりますが、費用は素材と作業内容で変動します。
表替えや裏返しといった軽微な作業で済む場合と、畳床ごと交換する場合では金額差が大きいです。
一般的には表替えであれば1畳あたり数千円から2万円前後が目安です。
古い畳床の状態によっては追加の下地補修費用が発生する可能性がありますので、現地調査での見積もりを推奨します。
ランニングコスト
畳は定期的なメンテナンスで寿命を延ばせますが、一定のコストがかかります。
清掃や乾燥、日焼け対策を怠ると早期交換につながるため、日常管理が重要です。
表替えの頻度は素材や使用状況で異なりますが、一般的に5年から10年ごとが目安になります。
また、オプションの防汚や抗菌処理を施すと短期的には費用が増えますが、張替え頻度の減少という形でメリットを得られる場合があります。
施工時の設計・間取り上の注意点

畳を設置する際の設計段階での注意点をまとめます。
ここを押さえると暮らしやすさとメンテナンス性が両立します。
和室の配置と動線
和室はリビングに隣接させるか独立させるかで使い方が大きく変わります。
来客対応や子どもの遊び場として使うなら、リビング続きにするとアクセスが良くなります。
一方で静かな読書や寝室代わりにするなら、廊下から直接入れる独立配置が向いています。
通り抜け動線にならないように家具配置と扉位置を検討してください。
畳数と寸法の確定
設計図段階で畳の枚数と具体的な寸法を確定させておくと、施工時の手戻りを防げます。
一条工務店では規格寸法があるため、住まい全体の床寸法と合わせて調整が必要です。
畳タイプ | 寸法目安 |
---|---|
本間畳 | 約1910×1910mm |
江戸間畳 | 約1760×1760mm |
団地間畳 | 約1700×1700mm |
半畳タイプ | 上記の半分寸法 |
設計時には小数点単位での調整よりも、標準寸法での割り付けを優先すると施工がスムーズです。
押入れ・収納の配置
押入れや収納を和室にどう組み込むかで、生活導線と収納効率が変わります。
布団を収納するスペースを確保するなら奥行きの確認を必ず行ってください。
- 布団収納用の奥行き確保
- 掃除機など家電の収納場所
- 引き出し式収納の可否
- 使い勝手を優先した棚高さ
押入れは天井高や引戸の開閉方式により使い勝手が変わるので、模型やスケッチで確認すると分かりやすいです。
扉と開口の仕様
襖や引戸の選択は開閉スペースと動線を左右します。
スライド式にすると前後のスペースを節約できますが、壁厚やレール位置の確認が必要です。
開き戸にすると風通しや光の取り込みで利点が出ることもあります。
扉のデザインや素材は畳との相性を考えて選んでください。
床高さ(小上がり)の決め方
小上がりにするかフラットにするかは、使い方と段差解消のバランスで決めます。
小上がりにすると下部を収納にできる利点があり、腰掛けや子どもの目線調整にも役立ちます。
ただし段差はつまずきの原因にもなるので導線を考慮して高さを決定してください。
高さは300mm前後を基準に検討し、必要なら実際の段差を現場で確認すると安心です。
採光と通風の配慮
和室は落ち着いた空間にするため窓の位置と大きさが重要です。
低い窓を設けると座った状態での景観がよくなり、畳との相性が良くなります。
通風のためには引き違い窓と換気ルートを複数持たせることをおすすめします。
障子やスクリーンで光を調整すると、畳の日焼け防止と柔らかな採光が両立します。
長期メンテナンスとトラブル対策

畳は使い方次第で寿命が大きく変わりますので、日頃からの手入れを意識することが重要です。
ここでは日常の掃除法から緊急対応、カビやダニの対策、張替えの目安やリペアの選択肢まで、実践的なポイントをまとめます。
日常の掃除方法
まずは基本の掃除法を押さえておくと長持ちにつながります。
掃除機は畳表の目に沿って、掃除機ノズルはソフトブラシタイプを使うのがおすすめです。
掃除機の往復ではなく一方向に軽くかけると、い草や和紙の繊維を痛めにくくなります。
乾いた布やフロアワイパーでの軽拭きも有効です、濡らした雑巾での拭き掃除は基本的に避けてください。
定期的に窓を開けて換気し、湿度を上げすぎないように管理することも忘れないでください。
汚れの応急処置
飲み物をこぼしたり、油汚れが付いたりした場合は、早めの対処が肝心です。
まずは表面の余分な水分や液体を速やかに吸い取ってください。
- 乾いた布で押し当てる
- 中性洗剤を薄めた布で軽くたたく
- 汚染部分だけ陰干しする
- 油はベビーパウダーで吸着させる
強くこすらず、素材を痛めないように慎重に扱うことが重要です。
カビ対策
カビは湿度と通気不足が原因になりますので、まず換気と除湿を徹底してください。
梅雨時期や冬場は除湿機やエアコンの除湿運転を活用すると効果的です。
畳の縁や角など、水が溜まりやすい場所は定期的に確認し、カビを見つけたら早めに処理します。
軽度のカビは薄めた中性洗剤で布拭き後に十分に乾燥させれば除去できることが多いです。
広範囲や深刻なカビは専門業者に相談し、安全な薬剤処理や張替えを検討してください。
ダニ対策
ダニは温かく湿った環境で繁殖しやすいので、湿度管理と清掃頻度が大切です。
週に一度以上の掃除機掛けと、可能であれば月に一度の天日干しや陰干しを推奨します。
布団やクッションなど畳に接するものは定期的に洗濯か掃除機をかけ、ダニ対策用のカバーを使うと安心です。
市販のダニ忌避スプレーを使う場合は、畳表の材質に適合しているか確認してください。
張替えの目安
畳の張替えは素材や使用状況で差がありますが、目安を把握しておくと良いです。
以下は一般的な目安と劣化サインの一覧です、参考にしてください。
畳の種類 | 一般的な目安 | 主な劣化サイン |
---|---|---|
和紙畳 | 5年から10年 | 色あせ表面の擦れ |
イグサ畳 | 3年から7年 | 毛羽立ち匂いの変化 |
琉球畳 | 5年から12年 | 角のほつれへたり |
床暖房対応畳 | 7年から12年 | 接着不良反り |
上記はあくまで目安です、頻繁に日差しが当たる場所やペットのいる家庭では早めの張替えが必要になることがあります。
リペアと再利用の選択肢
全張替え以外にも部分補修や表替えで延命できる場合があります。
表面の擦れや色あせが目立つ場合は表替えで見た目を回復できます、畳床がしっかりしていることが条件です。
畳縁のほつれや角の傷は縁替えやコーナーパッチで対応可能です。
古い畳は座布団や小物の素材として再利用する方法もあります、DIYが好きな方には楽しめる選択肢です。
大きなへたりや床組の問題がある場合は、部分的に床の補強を行ってから張替えを行うと安心です。
導入判断の最終チェック

畳の導入を決める前に、用途や予算、メンテナンス性を優先順位づけして最終確認してください。
生活動線や床暖房対応の可否、収納や扉との干渉も現地で再確認すると安心です。
素材は見た目だけでなく、耐久性やダニ・カビ対策、張替え費用も含めて比較することが重要です。
見積もりは本体、施工、オプションを分けて確認し、保証やアフターサービスの範囲を明確にしておきましょう。
最終確認は写真を残すと、施工後のトラブル防止に役立ちます。
迷った場合は施工担当者や住宅アドバイザーに相談して、住まい全体のバランスで判断するのが安全です。