畳のサイズ違いで「頼んだ畳と部屋の広さが合わない」と困っていませんか。
京間と江戸間の寸法差は、畳数表示や平米換算、見積もりの解釈を誤らせ、家具配置や施工で思わぬトラブルを招きがちです。
この記事では各寸法の具体的な数値、平米換算や6畳・8畳比較、料金差と割増の目安、採寸時のチェック項目まで丁寧に解説します。
京間の広さや江戸間の住居効率といった利点比較、見積りで必ず確認すべきポイントも整理してわかりやすくお伝えします。
施工前に役立つ最終確認リストも用意しているので、続きで実務に使える知識を身につけてください。
畳の京間と江戸間のサイズ差

畳の寸法は地域によって異なり、特に京間と江戸間の差は間取りや面積表示に大きく影響します。
京間の寸法
京間は主に関西圏で用いられる畳規格で、寸法が大きめに設計されています。
一般的な京間の標準寸法は約955ミリメートル幅と1910ミリメートル長さです。
このため1畳当たりの面積は約1.824平方メートルとなり、広めの和室を作りやすい特徴があります。
江戸間の寸法
江戸間は江戸を中心とした関東圏で多く使われる規格で、京間より一回り小さいです。
代表的な江戸間の寸法は幅880ミリメートル、長さ1760ミリメートルとされます。
その結果、1畳当たりの面積は約1.549平方メートルとなり、同じ畳数でも京間より狭く感じます。
平米換算
畳を平米で比較すると、仕様の違いが一目で分かります。
種類 | 1畳あたり㎡ | 6畳あたり㎡ | 8畳あたり㎡ |
---|---|---|---|
京間 | 1.824㎡ | 10.944㎡ | 14.592㎡ |
江戸間 | 1.549㎡ | 9.294㎡ | 12.392㎡ |
表から分かるように、同じ畳数でも京間は江戸間より1畳あたり約0.275平方メートル広くなります。
畳数換算
不動産の間取り表示では「8畳」とあっても、京間か江戸間かで実際の床面積が変わります。
例えば8畳の和室は京間だと約14.59平方メートルですが、江戸間だと約12.39平方メートルです。
表示上の畳数だけで判断せず、平米表示や採寸値を確認することが重要です。
6畳・8畳の比較
6畳間の広さ差は京間で約10.94平方メートル、江戸間で約9.29平方メートルとなります。
この差は家具配置や動線に影響し、ベッドやソファを置く場合に感じるゆとりが変わります。
8畳の場合はさらに差が広がり、生活感にも影響を与えやすくなります。
地域別の規格名称
日本各地で呼び方や寸法が異なるため、地域名で規格を示すことが多いです。
- 京間
- 江戸間
- 中京
- 団地間
地域名称だけで判断せず、具体的なミリ寸法や平米を確認することをおすすめします。
間取り表示時の注意点
間取り図に記載の畳数が京間基準か江戸間基準かは明記されていないことがあります。
契約前には必ず現地で採寸を依頼し、使用されている畳規格を確認してください。
特にリフォームや家具購入を予定している場合は、畳の実寸で計画を立てると失敗が少なくなります。
不明点は業者に確認し、見積書や重要事項説明書に数値を残してもらうようにしてください。
京間の利点

京間は畳一枚あたりの寸法が大きく、見た目のゆとりと実際の居住面積の両方で余裕が感じられます。
伝統的な和室を重視する住宅では、京間が持つ空間的な余白が快適さにつながることが多いです。
居住空間の広さ
京間は畳の幅と長さが江戸間よりも広いため、同じ畳数でも実際の床面積が広くなります。
比較項目 | 京間の特徴 |
---|---|
畳一枚の寸法 | 広い面積 ゆとりのある幅 |
同畳数での体感 | 広く感じる 家具と動線に余裕 |
日常生活では、歩行動作や掃除などでゆとりを実感しやすいです。
家具配置の自由度
京間の広さは家具の選択肢を広げ、配置の自由度を高めます。
- 大型のソファが置ける
- ダイニングテーブルとの併用がしやすい
- 子どもの遊びスペースを確保できる
結果として、ライフスタイルに合わせたレイアウト変更が行いやすくなります。
茶席や伝統行事との適合性
京間は茶道や生け花など伝統的な所作を行う際に、床面積と間隔の面で適しています。
茶席では座る位置や動作の余裕が重要で、畳の大きさが行事のしやすさに直結します。
また、年中行事やお客さまを招く場面で伝統的な和の趣を保ちやすい点も魅力です。
江戸間の利点

江戸間は都市部で広く使われる畳寸法で、住まい全体の使い勝手を高める特徴があります。
ここでは住居効率の良さ、材料費の節約、都市部住宅との適合性という観点から、江戸間の利点を分かりやすく解説します。
住居効率の良さ
江戸間は京間より一枚あたりの面積が小さく、同じ延床面積でも間取りの自由度が高くなります。
部屋数を増やしたい場合や、廊下や収納を確保したい場合に有利で、住宅全体の機能性を優先する設計に向きます。
また、暖房や冷房の効率が良く、狭い空間を素早く均一に温めたり冷やしたりできるため、光熱費の観点でもメリットがあります。
材料費の節約
畳一枚あたりの面積が小さいことで、建材や畳表・畳床の使用量が抑えられ、結果としてコストダウンにつながります。
比較項目 | 江戸間 | 京間 |
---|---|---|
畳寸法 | 幅88×長176cm | 幅95.5×長191cm |
一枚面積 | 1.55平方メートル | 1.82平方メートル |
材料使用量目安 | 小 | 大 |
一般的には同等品質で比べると、江戸間は材料費で数パーセントから十数パーセントの節約になることが多いです。
ただし、最終的な価格は畳表の素材や縁の有無、施工費によって変わりますので、見積りは複数社で比較することをおすすめします。
都市部住宅との適合性
江戸間はマンションや狭小住宅、古い住宅の間取りに合わせやすく、搬入経路や施工のしやすさでも優れています。
具体的な利点は次の通りです。
- マンション規格に合いやすい
- 搬入・施工の負担軽減
- リフォームの際の調整が容易
以上の理由から、都市部で暮らす方や居住効率を重視する方には江戸間が現実的で使いやすい選択肢になることが多いです。
畳サイズと料金の関係

畳の表替えや新調を検討する際は、サイズが料金に直結する点を押さえておく必要があります。
同じ「1枚」でも京間と江戸間では面積が異なり、材料費や作業時間に差が出ます。
ここでは表替えの相場、新調の目安、京間の割増率、見積り時に確認すべき項目をわかりやすく解説します。
表替えの価格
表替えは既存の畳床はそのままに、表面のい草や縁を交換する工事です。
サイズ | 価格帯(税込) | 特徴 |
---|---|---|
江戸間 1帖 | 5,000〜10,000円 | 一般的な住宅向け |
京間 1帖 | 6,500〜13,000円 | 面積大で素材必要量多い |
和紙表・樹脂表 1帖 | 8,000〜18,000円 | 耐久性高めの表替え |
表替えの価格は表素材の種類と畳のサイズ、縁の仕様で大きく変わります。
施工業者によって見積り方法が異なるため、同じ部屋でも提示価格に差が生じることがあります。
新調の価格
新調は畳床ごと交換するため、材料費と手間が増え、当然ながら価格も高くなります。
目安として江戸間の新調は1帖あたり12,000〜25,000円程度が多く、京間はこれに1割から3割上乗せされる例がよくあります。
稲わら床、建材床、藁芯床など床の種類で価格幅が出ますので、耐久性や費用対効果を合わせて選ぶことをおすすめします。
古畳の引き取りや処分費、搬入の有無も見積りに含めて確認すると安心です。
京間の割増率
京間は一般に江戸間よりも一枚あたりの面積が大きく、使用する表・床の量が増えるため割増率が発生します。
標準的には10〜30%の割増が目安で、素材や縁の仕様によってはさらに上昇する場合があります。
業者によっては一律の割増設定ではなく、実際の面積で見積もるケースもありますので、事前に確認してください。
見積り時の確認項目
見積りを取る際は単純な「1枚いくら」だけで判断しないことが重要です。
以下の点を箇条書きで業者に確認すると、後のトラブルを避けられます。
- 対象の畳サイズ
- 表素材の種類
- 畳床の状態
- 古畳の引取費用
- 施工日時と所要時間
- 追加料金の有無
訪問見積りで現場を確認してもらうと、図面だけの見積りより精度が高まります。
複数業者から見積りを取り、内訳を比較する習慣をつけると、適正価格が見えてきます。
採寸と施工で失敗しないチェック

畳替えや新調で一番大事なのは正確な採寸と現場確認です。
ここで紹介する手順とポイントを押さえれば、仕上がりのズレや追加費用を大幅に減らせます。
現場採寸手順
まずは部屋全体の外周を測り、基準となる直線を決めます。
次に畳を配置する線ごとに幅と長さを測り、寸法を図面に記入します。
敷居や柱の位置、出っ張りの有無を寸法に反映させることが重要です。
最後に採寸結果を写真で保存し、業者と共有して確認します。
チェック項目 | 確認内容 |
---|---|
部屋外周 | 寸法計測 |
敷居高さ | 段差確認 |
柱位置 | 切欠必要性 |
出入口幅 | 搬入可能性 |
採寸用具
適切な道具を用意すると、採寸時間が短縮され、精度が上がります。
- 巻尺
- レーザー距離計
- 水平器
- チョークライン
- メモ帳とカメラ
巻尺は最低でも5m以上を推奨します、家庭用の短い物だと足りないことが多いです。
床の歪み確認
畳のサイズは床の平滑さによって実際の必要寸法が変わります。
水平器かレーザーで部屋の中央と四隅を測り、床の傾きや波打ちを把握してください。
傾きが大きい場合は畳の下に敷く床材や下地調整が必要になることを伝えてください。
長年の沈みや部分的な痩せがあると、畳の端が浮く原因になります。
障害物確認
敷居、床暖房のパネル、エアコンの室内機設置部、コンセント位置は必ず確認します。
特に床暖房や床下点検口は切欠きが必要になるため、事前にサイズと位置を測っておきます。
襖や引き戸の開閉スペースも測り、畳を引いたときの干渉がないかチェックしてください。
必要があれば、建具の取り外しや搬入ルートの確保について業者と調整してください。
購入前の最終確認リスト

畳を購入する前に、以下の点を最終確認してください。
採寸ミスや規格の違いで施工トラブルが起こりやすいので、寸法、畳の種類、床下の状態、障害物の有無、表替えか新調かの判断、見積り内訳と追加費用の有無を必ず確認しましょう。
- 部屋の実測寸法と畳規格の一致確認
- 京間・江戸間など規格の確認
- 畳の厚みと端部処理の指定
- 床の歪みや沈みの有無
- ふすま・建具との干渉確認
- 床暖房や配管の有無確認
- 古畳の回収処分方法と費用
- 見積書の内訳と追加費用の有無
- 施工日と所要時間の確認
- 保証内容とアフター対応
確認後は施工業者と内容を写真で共有し、見積書と現場状況を照合すると安心です。