畳の表面がはがれたり繊維が崩れて見た目が悪くなると、落ち着かないし修理どうしようと悩みますよね。
放置すると傷が広がり生活臭やダメージが進行し、賃貸なら原状回復の問題にもつながります。
この記事では応急処置から部分張替え、目立たせない仕上げ方や費用の目安まで、自分でできる手順をわかりやすく紹介します。
必要な道具一覧・原因別対策・業者依頼の判断基準も掲載しているので、状況に合った選択が可能です。
まずは現状確認のポイントから順に確認して、無駄な出費を抑えながら安全に補修していきましょう。
写真付き手順や賃貸向けの配慮事項もあるので、次の章で具体的に見ていきましょう。
畳の表面がボロボロになったときの補修手順

畳の表面が傷んでくると見た目だけでなく、歩行時の感触や衛生面にも影響します。
ここでは自分でできる確認方法と、段階的な補修手順をわかりやすく解説します。
現状確認ポイント
まずは被害の範囲を把握してください。
表面の繊維が擦り切れているのか、畳表そのものがはがれているのかを見分けます。
芯材が見えている場合は、補修の難易度が上がるため注意が必要です。
歩行による局所的な摩耗か、広範囲の劣化かで対処法が変わります。
畳の縁(へり)にほつれや裂けがないかも同時に確認してください。
湿気やカビの有無もチェックし、においや変色があるなら別途対処を検討します。
必要道具一覧
補修に使う道具は作業の品質に直結します。
- サンドペーパー 番手は120と240
- 補修パテ
- 木工用ボンド
- 布テープまたは両面テープ
- カッターナイフ
- ゴムヘラ
- い草の切れ端または畳表の端材
- 裁縫道具 針と丈夫な糸
- マスクと手袋
あらかじめ必要な道具を揃えておくと作業がスムーズです。
応急処置手順
まずはLooseな繊維やほつれを取り除いてください。
掃除機で表面のホコリを吸い取り、ふわふわした部分はカッターで切り揃えます。
被害が小さい場合は、裏側に布テープを貼って補強するだけで進行を止められます。
大きく裂けている箇所には木工用ボンドを薄く塗り、繊維を押さえて仮固定します。
重しをのせて一晩置くと接着が安定しやすいです。
においや軽度のカビがある場合は、重曹を振って乾拭きするなどして応急処置します。
部分補修手順
部分補修は段階を追って丁寧に行うことが重要です。
補修箇所のサイズを正確に測ります。
同じ方向のい草繊維を用意し、織り目の向きに合わせて切り出してください。
接着面は清掃し、サンドペーパーで軽く荒らすと接着剤の食いつきが良くなります。
木工用ボンドを薄く塗り、パッチを慎重に貼り付けます。
ゴムヘラで空気を抜きながら押さえ、はみ出した接着剤はすぐに拭き取ってください。
隙間がある場合は補修パテで埋め、完全に乾いてから240番で平滑に仕上げます。
最後に周辺の繊維と馴染むようにブラッシングして整えます。
縁の補修ポイント
畳の縁は擦れやすく、補修方法が種類によって異なります。
縁の種類 | 補修ポイント |
---|---|
綿縁 | 縫い直しが可能 |
化繊縁 | 接着補強が有効 |
柄縁 | 交換を検討 |
ほつれが小さければ、縁の糸を縫い直して応急処置できます。
縁材が裂けている場合は、内側から接着剤で補強してから縫い直すと強度が戻ります。
柄物で目立つ損傷があるときは、縁ごと張り替えた方が仕上がりが良くなります。
仕上げの目立たせないコツ
目立たない仕上がりにするには色合わせと繊維の向きが大切です。
い草のパッチは周囲の目に合わせて切り、織り目の方向を揃えて貼ってください。
接着後は余分な糸や固まった接着剤を丁寧に取り除きます。
パテで埋めた場合は段差が残らないよう、細かい番手で慎重に研磨します。
最後に軽くブラッシングすると、表面の繊維が馴染んで自然に見えます。
賃貸での配慮事項
賃貸物件では原状回復義務を考慮して補修を行ってください。
自己判断で大がかりな交換や色を変える補修をすると退去時にトラブルになる可能性があります。
軽微な補修であれば写真を撮って、大家や管理会社に事前に連絡しておくと安心です。
道具費用や修理の記録は保管しておき、必要なら見積りとともに提示してください。
迷ったときは無理をせず、専門業者に相談するのが最短の解決策になります。
ボロボロ化の主な原因別一覧

畳がボロボロになる原因は一つではなく、複数の要因が重なって進行することが多いです。
ここでは代表的な原因を分かりやすく整理し、それぞれの特徴と注意点を紹介します。
経年劣化
畳表はい草や化学繊維から作られており、時間とともに繊維が摩耗し、色あせや切れ目が出てきます。
日照や室温、使用頻度によって劣化の進行速度は変わりますので、古くなったら早めに点検することが重要です。
繊維の崩れが内部の芯材にまで及ぶと、補修より張り替えが適切になる場合があります。
歩行による摩耗
人が頻繁に歩く場所は、畳表の表面が平らになりやすく、毛羽立ちや薄くなる現象が進行しやすいです。
特に部屋の出入口や座る位置、家具周りなどの導線部分は摩耗が早く進みます。
スリッパや靴下の状態、歩き方によっても摩耗の出方が変わりますので、生活習慣の見直しも有効です。
家具による擦れ
重い家具や脚が細い家具は局所的に圧力と摩擦を与え、畳表を擦り切らせる原因になります。
特に椅子やテーブルの脚、テレビボードの下などは接地面が小さく負荷が集中しやすいです。
家具種類 | 対策例 |
---|---|
家具脚 | 保護パッド設置 |
重い家具 | 荷重分散板設置 |
移動頻度高い家具 | 滑り止め素材使用 |
移動時は持ち上げて運ぶ、脚に布を巻くなどの小さな配慮で被害を抑えられます。
ペットのかじり・引っ掻き
犬や猫などのペットは、い草の縁や表面をかじったり引っ掻いたりして表面を破壊します。
子犬や子猫のときに習慣化すると、繰り返し被害が出るため早期のしつけや代替の噛み物が有効です。
深い引っ掻き傷は補修が難しく、部分交換やプロの相談が必要になることがあります。
湿気とカビ
畳は湿気を吸放出する性質があり、通気が悪いと常に湿った状態になってカビやダニの発生源になります。
カビが繁殖すると畳表が変色し、繊維が脆くなってボロボロになりやすいです。
定期的な換気と、湿度管理、乾燥させるための天日干しや除湿機の利用が有効です。
誤った掃除方法
力任せにブラシでこすったり、濡れた雑巾で強く拭くとい草の繊維が解れてしまいます。
また、強い洗剤や漂白剤の使用は変色や繊維破壊を招くため避けるべきです。
以下に避けるべき掃除方法を箇条書きで示します。
- 強くこする掃除
- 水拭きを多用する方法
- アルカリ性の強い洗剤の使用
- 高温での蒸し洗い
正しい掃除は柔らかいブラシや掃除機の弱めの吸引、短時間の部分的な拭き取りが基本です。
自分でできる補修方法のタイプ別一覧

畳の表面がボロボロになったとき、自分でできる補修は複数の方法があります。
被害の範囲や仕上がりの希望に応じて、簡易な応急処置から部分交換まで選べます。
木工用ボンド補修
木工用ボンドは小さなほつれや毛羽立ちをまとめるのに向いています。
使い方はシンプルで、ほつれた繊維に薄く塗り、指先やヘラで押さえて固定します。
乾燥時間を確保し、完全に硬化してから余分なボンドをヤスリで整えると仕上がりがきれいになります。
補修テープ・布による補強
補修テープや補強布は、表面の摩耗が広範囲に及んでいる場合の応急的な補強に適します。
目立たない色や目の細かい素材を選ぶと、見た目の違和感を抑えられます。
- 布製補修テープ
- 強力粘着タイプの補修テープ
- 目隠し用の畳柄シート
- 補強用の裏当て布
貼る際は端をしっかり密着させ、段差ができないように中から外へ空気を抜きながら作業してください。
部分的ない草貼替え
小さな範囲の損傷なら、い草の部分貼替えで目立たなくできます。
補修する面を長方形や楕円で切り抜き、同じ目織りのい草を用意して接着します。
境目は目立たないように薄くボンドを入れ、乾燥後に毛羽を揃えてから染色や補色を行うと自然になります。
畳表の部分交換
部分交換は損傷が深い場合や模様のずれを直したいときに有効です。
作業には畳表の裁断と縁の処理が必要で、専用の工具があると作業が楽になります。
既存の織り目や色に近い材料を選び、継ぎ目がわからないように丁寧に合わせてください。
補修パテ充填
くぼみや穴があるときは補修パテで埋める方法が使えます。
パテの種類 | 主な特徴 |
---|---|
木材用パテ | 硬化後にやすりがけ可能で形を整えやすい |
エポキシパテ | 強度が高く小さな穴の補修に適する |
床用補修パテ | 床材に合わせた硬化特性と着色性がある |
パテは少量ずつ充填し、硬化後に段差をやすりで滑らかにすると目立ちにくくなります。
最後に着色やコーティングで周囲と色味を合わせると完成度が上がります。
カバー・マット設置
仕上がりやコストを重視するなら、畳カバーやラグマットを敷くのが手軽です。
厚手のマットなら凹みや色褪せを隠しつつ、歩行によるさらなる摩耗を防げます。
滑り止め付きや防水性のある素材を選ぶと、使用感が向上します。
一時的な対処として非常に便利ですが、根本的な損傷を直したい場合は交換を検討してください。
補修に使う道具と素材の選び方

畳の補修を成功させるには、適切な道具と素材の把握が重要です。
用途に合った接着剤やパテを選べば、仕上がりと耐久性が大きく変わります。
接着剤の選定基準
まずは接着剤の用途と特徴を確認することが大切です。
い草の繊維に馴染むか、畳床の素材に対応しているかを見てください。
臭いの強さや硬化時間も使用感に影響しますので、室内作業に向くかどうかを考慮します。
- 畳表対応
- 耐水性あり
- 速乾性または可逆性
- 低臭タイプ
- 高粘度で隙間充填可能
接着剤の種類では、PVA系ボンドや多用途タイプの速乾接着剤が手に入りやすく、初心者にも扱いやすいです。
より強力な接着が必要な場合は、ウレタン系やエポキシ系を検討してください。
補修パテの種類
補修パテはひび割れや欠けを埋めるために使います。
大きく分けてウレタン系、エポキシ系、木粉混合タイプの三つがあります。
ウレタン系は弾性があり、畳の柔らかさに近い仕上がりが得られます。
エポキシ系は硬化後の強度が高く、重い家具下の補修に向きます。
木粉混合タイプは色合わせがしやすく、表面の質感を整えたいときに便利です。
使用前は小さな目立たない部分で試し、色と硬さが合うか確認してください。
サンドペーパー番手一覧
表面仕上げの段階に合わせて番手を使い分けると、滑らかな仕上がりになります。
番手 | 用途 |
---|---|
60 | 粗削り 大きな段差の除去 |
120 | 成形 表面の整え |
240 | 仕上げ 小さな凹凸の平滑化 |
400 | 最終研磨 軽い艶出し |
作業は粗い番手から徐々に細かい番手へ移行してください。
ヘラ・パテベラ
ヘラはパテや接着剤の均しに欠かせない道具です。
幅の異なるヘラを数種類用意すると作業効率が上がります。
硬めのステンレスヘラはパテの平滑化に適しています。
柔らかいプラスチックヘラは仕上げや畳表を傷つけたくない場面で有利です。
角度の付いたヘラは隅部の作業に便利で、塗布量の調整もしやすいです。
裁縫道具(縁修理用)
畳の縁を直す際は、裁縫道具が役立ちます。
針は太めの手縫い針を選ぶと縁の厚みに対応できます。
糸は耐久性のあるポリエステル糸や刺しゅう糸が使いやすいです。
待ち針やクリップで縁を固定しながら縫うと仕上がりが乱れにくくなります。
小型の布切りハサミや糸切り鋏も準備してください。
マット・カバー素材の特徴
畳の上に被せるマットやカバーは補修の簡易策として有効です。
PVC素材は防水性が高く、掃除が簡単です。
コットンや麻のラグは通気性が良く、天然素材の風合いがあります。
い草風のラグは見た目が自然で、和室になじみやすいです。
竹素材は涼感があり、夏場の使用に向いています。
選ぶ際は通気性と防滑性を確認し、畳への蒸れや滑りを防ぐことを優先してください。
費用目安と業者依頼の判断基準

畳の補修や張替えを検討する際は、まず費用の目安と自分でできる範囲を把握することが大切です。
ここでは自力補修と業者張替えの一般的な費用感と、業者に任せた方がよい症状、それから見積り依頼時に確認すべき項目をわかりやすくまとめます。
自力補修の費用目安
小さな糸のほつれや表面のはがれであれば、必要な道具と材料を揃えて数百円から数千円で済ませられます。
接着剤や補修テープは500円〜2000円程度で入手可能です。
い草の部分貼替えキットや簡易パテは2000円〜6000円程度が相場で、範囲が広くなるほど材料費は増えます。
市販の畳カバーやラグを使う応急対策なら、1枚あたり1000円〜5000円程度で見た目を改善できます。
工具を新たに購入する場合は、ヘラやカッター、サンドペーパーなどで追加1000円〜3000円が必要になることがあります。
業者張替えの費用目安
業者に依頼する場合は、施工方法や畳の種類によって価格が大きく変わります。
施工内容 | 価格目安1畳 |
---|---|
裏返し | 3000〜6000円 |
表替え | 7000〜15000円 |
新調 | 15000〜40000円 |
高級ない草や畳表を選ぶと、表替えや新調の費用はさらに上がります。
出張費や古畳の引取処分費が別途かかる業者もありますので、総額を確認してください。
業者に任せるべき症状
畳の芯材が沈んでいる、またはフワフワして歩行に支障がある場合は、床組みや畳床の交換が必要なことが多く、業者に依頼してください。
カビが広範囲に発生している場合や、強い臭いが取れないときは専門的な処置と換気対策が必要です。
縁がほつれて大きく裂けている、または畳が変形して襖や敷居に干渉している場合も、プロの技術でないと直りにくいことがあります。
大量のペット被害や水濡れによる広範囲の腐食は、部分補修では再発しやすいので業者依頼をおすすめします。
見積り依頼時の確認項目
- 施工内容の内訳
- 使用する畳表の種類
- 材料費と作業費の分離
- 作業日数と作業時間
- 追加費用の有無
- 保証期間と内容
- 廃棄処分の有無と費用
- 現地調査の有無
見積りは必ず複数業者から取ることをおすすめします。
現地での確認がないまま提示された見積りは、後から追加費用が発生しやすい点に注意してください。
費用だけでなく、施工後の保証やレビューも判断材料にすると失敗が少なくなります。
補修後の長持ち対策

補修後は乾燥と通気を徹底してください。
家具の配置を定期的に見直し、同じ場所の負担が続かないようにすることが大切です。
人がよく通る場所にはラグや専用マットを敷いて、摩耗を抑えてください。
靴のまま歩かない、ペットの爪は短く保つなど日常の注意も有効です。
汚れやほつれを見つけたら早めに補修し、ゴミは掃除機や乾いた布で優しく取り除いてください。
季節ごとに除湿や換気を行い、湿気による劣化を未然に防ぎましょう。
半年から1年に一度はプロの点検や張替え相談を検討すると安心です。