畳のある和室で愛犬と過ごす時間は何より落ち着きますよね。
でも、散歩後の泥汚れや抜け毛、トイレのシミ、滑りやすさ、湿気で畳が傷むのは心配だし、犬にとって快適なマット選びは悩ましい問題です。
この記事では畳を守りながら犬が快適に過ごせるマットの選び方を、サイズ・厚み・素材・滑り止め・通気性・洗濯可否・防水・クッション性の観点から具体的に解説します。
さらにコルクやタイルカーペット、ウレタンなど素材別のメリット・デメリット、設置やズレ防止、湿気対策や清掃手順、犬の行動対策まで実践的な対処法を紹介します。
結論を急がず、目的に合ったマットを見つけるためのチェックポイントを順に確認していきましょう。
畳の上に敷く犬用マットを選ぶポイント

和室で犬と快適に過ごすためには、マット選びが非常に重要です。
畳を守りながら、犬の安全と居心地を両立できるものを選びましょう。
サイズ
マットは犬が寝転がった際に全身が収まる大きさを基準に選んでください。
ケージや遊び場として使う場合は、そのスペース全体をカバーできるサイズを検討すると安心です。
- 小型犬用
- 中型犬用
- 大型犬用
- スペースカバー用
部屋の通路や出入り口付近に敷くなら、通行の妨げにならない幅にも注意してください。
厚み
厚みはクッション性と安定性のバランスで選びます。
薄すぎると畳の凹凸を感じやすく、逆に厚すぎると段差でつまずく恐れがあります。
目安としては10mmから20mmの範囲が使い勝手が良いことが多いです。
老犬や関節が弱い犬にはやや厚めを選ぶと負担軽減につながります。
素材
素材によって通気性や耐久性、掃除のしやすさが大きく異なります。
用途や犬の性格に合わせて最適なものを選ぶと長く使えます。
素材 | 特徴 |
---|---|
コルク | 通気性に優れる 天然素材の感触 |
タイルカーペット | 汚れた部分だけ交換可能 柔らかめの足触り |
ウレタンマット | 高いクッション性 衝撃吸収に優れる |
PVCマット | 防水性が高く 拭き掃除が簡単 |
化繊ラグ | 毛が絡みにくく 洗濯や手入れが容易 |
天然繊維ラグ | 吸湿性が高く 自然な風合い |
合成素材は耐水性や手入れのしやすさが魅力で、天然素材は呼吸性や肌触りに優れます。
滑り止め
畳の上では滑りやすさが事故につながるため、滑り止め機能は必須です。
裏面に滑り止め加工が施されている製品か、別途滑り止めシートを併用するのが安心です。
ただし強力な接着タイプは畳表を痛める恐れがあるため、低粘着のものを選んでください。
通気性
畳とマットの間に湿気がこもると、カビや畳の変色につながります。
通気性の良い素材や、底面に空気の流れを作る構造のものを選ぶと管理が楽になります。
定期的にマットをめくって畳を乾かす習慣も重要です。
洗濯可否
犬は思わぬ汚れやにおいをつけることが多いため、洗えるマットが便利です。
カバーが取り外して洗えるタイプや、丸洗い可能な素材を選ぶと衛生的に保てます。
洗濯機が使えない場合は拭き洗いで手入れできるか、速乾性があるかを確認してください。
防水性
トイレの失敗や飲み水のこぼれに備えて、防水性のある層があると安心です。
表面は吸水性で、裏面に防水フィルムを組み合わせた二重構造が使い勝手が良いことが多いです。
完全防水だと蒸れやすくなるので、通気性とのバランスを見て選んでください。
クッション性
犬の関節保護や寝心地を考えると、適度なクッション性が重要です。
ウレタンやフォーム系は衝撃吸収に優れるため活発な犬や高齢犬に向いています。
一方で柔らかすぎる素材は走る際に不安定になることがあるため、密度や反発性も確認してください。
最終的には実際に犬が使ってみて様子を見るのが確実です。
犬と畳にやさしい素材の種類

和室で犬と暮らす際に、敷くマットの素材は畳の保護と犬の快適さに直結します。
ここでは代表的な素材の特徴と向き不向きを分かりやすく説明いたします。
コルクマット
コルクマットは天然素材で、弾力と断熱性に優れております。
畳に直接敷いても蒸れにくく、夏はさらっと使える点が魅力です。
傷がつきにくく、犬の爪が当たっても目立ちにくいです。
ただし、水に弱い面があるため、粗相が多い場合は防水対策が必要になります。
タイルカーペット
タイルカーペットは部分交換ができるため、汚れや傷があってもそこだけ取り替えられます。
複数の色や素材を組み合わせて、デザイン性を高められる利点もあります。
特徴 | 向く犬種 | 手入れ |
---|---|---|
滑りにくい | 小型犬 中型犬 | 部分交換可 |
薄手で軽い | 老犬 子犬 | 掃除機で簡単 |
接着タイプや裏面にクッション材が付いたタイプなど、用途によって選べます。
畳に直接置く場合は、通気と防カビに気を配ることをおすすめします。
ウレタンマット
ウレタンマットはクッション性が高く、関節への負担を軽減します。
- 衝撃吸収
- 厚みが選べる
- 丸洗い不可の種類あり
寝転んだときのフィット感が良いため、シニア犬や関節疾患のある犬に向いております。
ただし素材によっては蒸れやすいものがあるため、通気性の良い加工を選ぶと安心です。
PVCマット
PVCマットは防水性が高く、粗相や飲み水がこぼれても安心です。
掃除がしやすく、アルコールや中性洗剤で拭ける点が便利です。
一方で弾力が弱いタイプもあるため、クッション性重視なら中にウレタンを重ねるとよいです。
また、長時間日光に当たると変色する場合があるので注意が必要です。
化繊ラグ
化繊ラグは毛玉や汚れが付きにくい加工がされている製品が多いです。
軽くて洗濯機で丸洗いできるタイプもあり、日常の手入れが楽になります。
静電気が起きやすい素材もあるため、季節や犬の被毛の状態に合わせて選ぶとよいです。
また、合成繊維特有の匂いが気になる場合は、風通しの良い場所で陰干しすると改善します。
天然繊維ラグ
天然繊維ラグは通気性と吸湿性に優れており、畳との相性が良いです。
コットンやウールは肌触りが柔らかく、犬も安心して寝転べます。
ただし洗濯表示を確認し、縮みや色落ちに注意する必要があります。
頻繁に手入れをして清潔に保てば、畳も長持ちします。
畳を傷めない設置・固定方法

畳の上に犬用マットを敷くときは、固定方法を工夫することで畳表の擦れや汚れを防げます。
ここでは代表的な固定方法ごとの特徴と注意点をわかりやすく説明いたします。
吸着パッド
吸着パッドはマット裏面に貼ることで直接吸着してズレを抑えるアイテムです。
柔らかい素材が畳表に密着しやすく、滑りにくさを確保できます。
使用時は端が浮かないようにしっかりと貼り、隙間に汚れが入らないようにしてください。
長期間貼りっぱなしにすると汚れやほこりが吸着力を弱めるため、定期的に取り外して掃除することをおすすめします。
滑り止めシート
滑り止めシートはマットと畳の間に敷くことで摩擦を高めるタイプです。
ゴム系やジェル系など素材がいくつかあり、畳の感触に合わせて選べます。
シートがはみ出すと見た目が悪くなるため、マットサイズに合わせてカットしてください。
湿気がこもるとカビの原因になる場合があるため、こまめにめくって畳の状態を点検してください。
低粘着両面テープ
低粘着両面テープは粘着力が控えめで畳に貼っても跡が残りにくい製品です。
角や四隅に小さく貼ることでマットのズレを簡単に防げます。
使用前に目立たない場所で試し貼りをして、畳表にダメージが出ないか確認してください。
テープは定期的に交換し、粘着残りがある場合は中性洗剤で優しく拭き取ってください。
面ファスナー
面ファスナーはマット側と畳側に貼り付けて着脱を簡単にする方法です。
頻繁に取り外して洗いたい場合や位置調整が多い家庭に向いています。
メリット | 注意点 |
---|---|
着脱が簡単 | 畳表に貼る面は限定する |
位置調整が容易 | 硬い面は畳に痕を残す可能性 |
洗濯時の安心感 | 取り外し時の摩擦に注意 |
面ファスナーを畳に直接貼る際は、接着面に布や薄いシートを間に挟んで保護してください。
マットズレ防止ストッパー
専用のストッパーはマットの四隅や側面に取り付けてズレを抑える小物です。
取り付けが簡単で見た目もスッキリする製品が多くあります。
- 角用ストッパー
- サイド固定タイプ
- 滑り止め付きクランプ
- 着脱式フック
選ぶ際は畳表を傷つけない素材かどうかを確認し、定期的に位置や固定具の状態を点検してください。
重り配置
マットの端に布で包んだ重りを置くシンプルな方法も有効です。
コンクリートのように重い物を一点に置くと畳に凹みが残る可能性があるため、重さは分散させてください。
布やフェルトを間に挟むことで直接の擦れや色移りを防げます。
季節ごとに重りの位置を変えると畳表の同じ箇所に負担が集中するのを避けられます。
湿気・カビ対策と清掃の具体手順

畳の湿気とカビは、犬と暮らす和室で特に注意が必要です。
普段の換気と掃除で予防できることが多く、早めの対策が被害を小さくします。
定期換気
換気は湿気対策の基本で、1日に複数回行うことをおすすめします。
窓やふすまを開けての通風で湿った空気を入れ替えてください。
- 朝の短時間換気 十分な空気の入れ替え
- 夕方の短時間換気 湿度のたまった空気の排出
- 雨の日はタイミングを見て短時間の換気 調湿を兼ねる
マットめくり点検
マットの下は湿気がたまりやすく、定期的にめくって点検することが重要です。
少なくとも週に一度はマットをめくり、畳の表面と裏面を確認してください。
点検箇所 | 頻度 |
---|---|
表面の湿り気 畳の色変化 異臭の有無 |
毎日 週一回 週一回 |
カビの斑点 マットの裏側の湿り |
月一回 週一回 |
除湿機使用
除湿機は湿度を安定させるのに効果的で、梅雨時期や冬の結露時に特に有効です。
目安として室内湿度を50%前後に保つとカビの発生リスクが下がります。
マットの近くに置くと効果が出やすいですが、風を直接当てすぎないようにしてください。
タンクの水はこまめに捨て、フィルターも定期的に掃除してください。
乾燥剤設置
乾燥剤は狭い隙間や押し入れでの補助として有効です。
シリカゲルや高吸湿性のものを選び、袋が破れないように容器に入れて設置してください。
犬がかじらない場所に置き、誤食に注意することが大切です。
再生できるタイプは説明に従って乾燥処理を行い、使い捨てタイプは表示の交換時期で交換してください。
丸洗い
洗えるマットは定期的に丸洗いすると臭いと汚れ、雑菌を一気に落とせます。
洗濯表示を確認し、洗濯機使用可のものは中性洗剤でやさしく洗ってください。
脱水は短めにし、風通しの良い日陰で速やかに乾かすことがカビ予防になります。
洗えない素材は部分洗いと除菌スプレーで対応し、十分に乾燥させてから敷き直してください。
掃除機掛け
日常的な埃や毛の除去は掃除機掛けでかなり防げます。
マットと畳の両方を吸引し、毛や砂利が溝にたまらないように注意してください。
ブラシが強すぎると表面を傷める可能性があるため、ソフトヘッドや弱吸引での掃除をおすすめします。
週に一度は隅まで丁寧に掃除し、気になる汚れは早めに拭き取る習慣をつけてください。
犬の行動で畳を守る対策

和室で犬と快適に過ごすためには、畳を傷めない行動管理が欠かせません。
ここでは日常的にできる対策を、具体的かつ実践的にご紹介します。
爪切り
定期的な爪切りは畳の引っ掻き傷を防ぐ基本です。
月に1回から2回を目安に、犬種や生活スタイルに合わせて頻度を調整してください。
嫌がる場合は短時間で終わらせる工夫や、おやつで気を散らせると安全にできます。
深爪が不安なときは動物病院やトリマーに頼むと安心です。
やすりで仕上げるとトゲが減り、畳へのダメージがさらに抑えられます。
爪保護ソックス
爪保護ソックスは短期的に畳を守る便利なアイテムです。
滑り止め付きのものを選べば、犬の歩行も安定します。
長時間の着用は蒸れやすいので、適宜外して皮膚の状態を確認してください。
- 滑り止め付き
- 通気性素材
- 洗濯可能
- サイズ調整可能
初めて使うときは短時間から慣らし、褒めてポジティブな体験にしてあげてください。
しつけ(禁止指示)
畳に飛び乗ったり引っ掻いたりする行為には、まず明確な禁止指示を教えましょう。
短くて一貫したコマンドを用い、行動の直後に伝えることが大切です。
禁止だけでなく、代替行動を教えると効果が上がります。
例えば「ここで伏せ」や「おもちゃで遊ぶ」など、望ましい行動をセットで教えてください。
褒めるタイミングは素早く、報酬は高価値なものを使うと学習が早まります。
運動量増加
畳を引っ掻く原因の一つは、ストレスやエネルギーの余りです。
毎日の散歩や遊びで十分に運動させることで、問題行動が減少します。
室内遊びでは知育トイや嗅覚を使うゲームを取り入れると疲れやすくなります。
短時間でも集中する活動を複数回行うと、効果的にエネルギーを消費できます。
爪研ぎ場所設置
畳の代わりに爪を使える場所を用意すると、被害を減らせます。
滑りにくいラグや専用のボードを畳近くに置いて誘導してください。
匂いやおやつでその場所を魅力化すると、犬が自然に移動します。
定期的にその場所を清潔に保ち、快適さを維持することも忘れないでください。
ケージ・サークル設置
留守中や就寝時に畳を守るには、安全な区画を作るのが有効です。
広さは犬が立って回れる程度を目安に、狭すぎないことが重要です。
置き場所は通気や日当たりを考慮し、畳の変色や湿気対策を行ってください。
設置場所 | ポイント |
---|---|
窓際 | 日光浴ができる |
リビングの一角 | 家族の気配がある |
廊下寄り | 出入りが楽 |
マットやパッドを敷いて床とケージの接触面を保護すると、畳の摩耗をさらに減らせます。
留守番の前後は短時間でも運動させて疲れさせると、ケージ内で落ち着いて過ごせるようになります。
和室で犬と暮らす際の最終チェックリスト

和室で犬と暮らす前に、確認すべきポイントを簡潔にまとめた最終チェックリストです。
畳の保護、衛生、犬の安全を中心に、見落としがないか最終確認してください。
マットの素材や滑り止め、設置方法は問題ないか、具体的に点検しましょう。
湿気対策や定期的なマットめくり点検も忘れずに行い、カビの発生を防いでください。
しつけや爪のケアで畳の傷を防ぐ工夫も重要です、日常の習慣に取り入れてください。
以下のチェック項目をひとつずつ確認してから、和室での生活を始めてください。
- マットサイズと厚みの確認
- 滑り止めの有無
- 防水性の有無
- 通気性の確保
- 定期的な丸洗いが可能か
- マット下の湿気点検
- 犬の爪切りの頻度確認
- ケージや走行スペースの設置