リビングの一角に設けた畳スペースを、くつろぎは残して上手に仕切りたいけれど、どれが最適かわからず悩んでいませんか。
襖や障子、引き戸、ロールスクリーン、プリーツスクリーン、可動式パーテーション、収納兼仕切りといった選択肢が多く、来客対応・子育て・ワークスペース・ペット対策など用途別に迷いやすいのが現実です。
本記事では畳コーナー仕切りの各タイプを機能・見た目・施工性・費用の観点で比較し、用途別の最適案と施工手順、メンテのコツまで具体的にお伝えします。
材料費や施工費、電動化の可否、耐久性の違いも示しながら、実際の採寸から仕上げ調整まで押さえていきます。
結論を急がず、まずはタイプ別比較から読み進めて、自分の暮らしに合う仕切り選びの判断材料と、失敗を避けるポイントを手にしてください。
畳コーナー仕切りタイプ比較

畳コーナーはくつろぎと実用性を両立させやすい空間です。
仕切りの選び方で見た目や使い勝手、メンテナンス性が大きく変わります。
ここでは代表的な仕切りの種類を比較し、それぞれのメリットと注意点をわかりやすく解説します。
襖
伝統的な襖は和の雰囲気を保ちながら空間を仕切れます。
紙や布の表面は模様替えがしやすく、交換も比較的簡単です。
ただし、防音や気密性は限られるため、プライバシー重視なら追加対策が必要になる場合があります。
障子
障子は光を柔らかく通し、畳コーナーを明るく見せます。
通気性があり、季節の風を取り入れやすい点が魅力です。
しかし、紙は破れやすく、ペットや小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。
引き戸
引き戸は開閉がスムーズで、スペース効率に優れる仕切りです。
種類 | 特徴 |
---|---|
片引き戸 | 開口を広く使える |
引き込み戸 | 戸が壁内に収納される |
引き違い戸 | 両側から開閉可能 |
レールや戸車の品質で操作感が大きく変わるため、施工時に細部まで確認することをおすすめします。
ロールスクリーン
ロールスクリーンは見た目がすっきりして、取り付けも比較的簡単です。
巻き上げ式で高さ調整が自在なため、視線や日差しのコントロールに向いています。
ただし、遮音性や遮光性は素材次第で差が出ますので、用途に合わせて選んでください。
プリーツスクリーン
プリーツスクリーンはたたみ目が美しく、デザイン性が高い選択肢です。
コンパクトに折りたためるため、開放時に邪魔になりにくいです。
遮光タイプや防炎仕様など、機能性のバリエーションが豊富ですので、実用面も確認しましょう。
可動式パーテーション
可動式パーテーションは柔軟にレイアウトを変えたい方に向いています。
- 自由な間仕切り配置
- 折りたたみ可能で収納簡単
- 防音パネル搭載の製品あり
- 短期利用やイベント向け
軽量タイプは設置や移動が楽ですが、固定性や気密性は製品ごとに差が出ますので実物を確認することをおすすめします。
収納兼仕切り
収納兼仕切りは省スペースと機能性を両立させたい場合に有効です。
棚や引き出しを備えたパーティションなら、生活動線を整理しながら空間を仕切れます。
ただし重量が増すため床や下地の耐荷重を確認することが大切です。
用途別の仕切り選び

畳コーナーの仕切りは、暮らし方に合わせて選ぶと満足度が高くなります。
見た目の好みだけでなく、機能性や安全性を考慮すると後悔が少なくなります。
ここでは代表的な5つの用途別に、おすすめの仕切りと選び方のポイントを解説いたします。
来客対応
来客時に畳コーナーを素早く目隠ししたい場合、見た目と操作性のバランスが重要です。
和の雰囲気を保ちつつプライバシーを確保したいなら、襖や引き戸が定番になります。
手軽さやコスト重視ならロールスクリーンやプリーツスクリーンが向いています。
ポイント | おすすめ |
---|---|
視線カバー | 襖 |
音漏れ対策 | 引き戸 |
設置の簡易さ | ロールスクリーン |
収納一体 | 収納兼仕切り |
襖は見た目の統一感が出やすく、畳や床、建具との相性も良好です。
一方で頻繁に開閉する場合は、傷みやすさを考えて素材を選ぶと安心です。
子育て
小さなお子様がいる家庭では、安全性と耐久性が最優先になります。
角が少なく、倒れても危険が少ない可動式パーテーションや柔らかい布製のスクリーンがおすすめです。
洗濯や拭き掃除ができる素材を選べば、汚れを気にせず使えます。
また、目が届くように上部が開くタイプや通気性のある素材を選ぶと安心感が高まります。
ワークスペース
在宅ワーク用に畳コーナーを仕切る場合は、集中できる環境作りがポイントです。
遮音性や視線の遮断、照明の調整がしやすいことを重視してください。
- 遮音性の高い引き戸やパネル
- 視線を切る高さのある可動パーテーション
- 光を柔らかくさえぎるプリーツスクリーン
- 配線が通せる収納兼仕切り
使い勝手を優先するなら、開閉がスムーズで正確に固定できる金物を選ぶとよいです。
仕事道具の出し入れを考えて、仕切りの一部を扉や引き出しにする工夫も有効です。
ペット対策
ペットがいる場合は、かじる力や爪での引っ掻きに強い素材を選ぶ必要があります。
金具や下部の隙間をなくして、逃げ出しやすさを防ぐことが重要です。
掃除のしやすさも忘れてはいけません、毛や汚れが付きにくい仕上げを選ぶと楽になります。
通気性や視界の確保も考慮して、ペットのストレスを減らせる仕切りにしてください。
収納活用
仕切りを収納と兼用することで、限られた空間を有効活用できます。
可動棚や引き出しを組み込んだ収納兼仕切りは、片付けの動線を短くします。
耐荷重や扉の開閉方向を事前に決めておかないと使い勝手が悪くなる可能性があります。
オープン棚と扉付きを組み合わせれば、見せる収納と目隠しを両立できます。
設置の施工手順

畳コーナーの仕切りを設置する際は、事前準備が完成の良し悪しを決めます。
ここでは採寸から仕上げ調整まで、実務で役立つ手順を丁寧に解説します。
採寸
正確な採寸は仕上がりの美しさと機能性に直結します。
まずは開口幅と高さを複数箇所で測定して、誤差を把握してください。
- 開口幅(上部)
- 開口幅(下部)
- 開口高さ(左側)
- 開口高さ(右側)
- 床から畳の高さ
- 天井の傾き確認
測定はメジャーとレーザー距離計を併用すると効率が良いです。
採寸結果はメモに残し、写真と合わせて保存しておくと後工程でのトラブルが減ります。
下地確認
下地の状態を確認せずに取り付けると、固定不良や歪みの原因になります。
まずは取り付け予定箇所の壁や柱の材質と強度をチェックしてください。
石膏ボードの場合は補強が必要なケースが多く、下地補強の有無で施工方法が変わります。
床のレベル差や畳の沈みも確認して、必要に応じて床下補強や調整を検討してください。
電気配線や配管が近くを通っていないか、壁の中の状況も事前に把握すると安全に進められます。
材料選定
用途やデザイン、予算に合わせて最適な材料を選ぶことが重要です。
耐久性やメンテナンス性、和の雰囲気を保ちたいか否かで選択肢が変わります。
素材 | 特徴 |
---|---|
襖紙 | 和風に適す 軽量で交換容易 |
障子紙 | 採光を確保 透過性がある |
木製引き戸 | 高級感と耐久性が高い 重量あり |
ファブリックスクリーン | 多様なデザインで柔らかい印象 |
表は代表的な素材の特性を簡潔に示していますが、実際は仕上げ材や金物で差が出ます。
防水や防汚性を重視するなら表面加工の種類を確認してください。
施工方法選択
施工はDIY向けの簡易取り付けから、専門職による本格施工まで選べます。
軽量なロールスクリーンやプリーツなら下地が弱くても設置しやすいです。
木製の引き戸や襖はレールの精度と下地補強が重要で、プロに依頼することを推奨します。
天井付けと上吊りの違いを理解して、天井の荷重や見た目を考慮して選んでください。
電動化する場合は電源確保や配線経路の計画も忘れずに行ってください。
仕上げ調整
取り付け後の調整で使い勝手と耐久性が決まります。
戸の噛み合わせや隙間の最終確認を行い、必要があればレールの微調整をしてください。
取っ手位置やストッパーの動作確認も行い、生活導線に合うように調整します。
長期的な使用を見越して、可動部には潤滑剤を適量塗布しておくと動きが滑らかになります。
最後に周囲の仕上げ材と色味を調和させ、施工箇所の清掃をして作業を完了します。
コストと費用目安

畳コーナーの仕切りを導入する際には、材料費や施工費、金物費など複数の要素が総額を左右します。
仕切りの種類や寸法、仕上げのグレードによって価格帯が大きく変わりますので、事前に項目ごとの目安を把握しておくと安心です。
材料費
材料費は選ぶ仕切りの素材と面積が中心となり、畳に近い風合いであれば高級な畳表や布地の張り替えが必要になる場合があります。
軽いロールスクリーンやプリーツスクリーンは比較的安価で、天然素材の襖や障子は素材費が上がる傾向にあります。
素材 | 目安価格 |
---|---|
襖紙畳表 | ¥5,000〜¥20,000 |
障子紙フレーム | ¥8,000〜¥30,000 |
ロールスクリーンプリーツ | ¥4,000〜¥25,000 |
上の表は素材別の一般的な目安です。
幅や高さ、特注加工が入るとこの範囲を超えることがある点にご注意ください。
施工費
施工費は現場の状況や作業の難易度で変わります、特に下地補強が必要な場合は費用が増加します。
取り付け方式によって、工期と人件費も違ってきますので、見積もり時に確認することをおすすめします。
- 標準取り付け作業
- 下地補強
- 既存撤去作業
- 特注加工対応
簡単な取り付けであれば半日から1日で終わることが多く、長時間かかると追加費用が発生します。
金物費
レールやレール受け、引手、戸先金具などの金物は種類によって価格差が出ます。
高耐久のステンレス製や、デザイン性の高い金具は割高になりますが、長期的な満足度が高くなります。
一般的には数千円から数万円の範囲で揃いますが、枠の幅や重量に応じて強度のある金物を選ぶ必要があります。
電動化費
自動開閉を導入する場合、モーター本体と取り付け工事、電源工事が必要になります。
既設の電源が近くにあれば比較的安価に済みますが、配線工事が必要だと費用は上がります。
目安としては、本体と施工を合わせて数万円から十数万円が一般的で、高機能モデルはさらに高額になります。
総額目安
小規模な簡易仕切りであれば材料費と施工費を含めて数万円程度で済むことが多いです。
中規模の襖や引き戸の設置は十万円前後を見込んでおくと安心です。
高級素材や電動化、下地補強を伴う大規模な工事では数十万円の費用が発生する場合があります。
最終的には現地調査と複数社の見積もり比較を行い、仕様と価格のバランスを確認してください。
耐久性とメンテナンスのポイント

畳コーナーに使う仕切りは素材や構造で耐久性が大きく変わります。
ここでは素材別の特徴や、日常の手入れ、交換の目安、汚れ対策をわかりやすく解説します。
表面素材別の耐久性
襖紙や和紙は風合いが魅力ですが、湿気やこすれに弱く、日常的な摩耗で劣化しやすいです。
合成樹脂やビニール張りの表面は耐水性が高く、汚れやすい場所に向いていますが、紫外線で黄ばみや硬化が進むことがあります。
無垢や突板の木質仕上げは衝撃に強く、傷が味になる反面、湿度変化で反りや割れが生じる場合があるため管理が必要です。
布製のスクリーンは見た目が柔らかく、洗えるタイプはメンテナンスが容易ですが、引っかき傷やペットの爪に弱い傾向があります。
ローラーや金物の耐久性は使用頻度で変わり、安価な金物は数年で交換が必要になることがあります。
日常の手入れ方法
定期的なメンテナンスで寿命を延ばせます、基本はほこり取りと軽い拭き掃除です。
- ほこり払い
- 乾拭き
- 中性洗剤を薄めた拭き掃除
- 換気と結露対策
- 部分的な部分洗い
紙素材には固く絞った布で縦方向に軽く拭き、こすりすぎないようにしてください。
ビニールや合成素材は中性洗剤を薄めて汚れを落とし、洗剤残りがないように水拭きで仕上げると長持ちします。
木質は水拭きを避け、専用のクリーナーやオイルで保護すると反りを防げます。
部品交換の目安
金物や消耗パーツは早めの交換でトラブルを未然に防げます。
部品 | 交換目安 |
---|---|
レールローラー | 5年から7年 |
襖紙 | 3年から7年 |
引手金具 | 7年から10年 |
スクリーン生地 | 5年から10年 |
ヒンジとストッパー | 10年程度 |
使用頻度や環境によって前後しますので、操作にぎこちなさを感じたら早めに点検してください。
防汚対策
汚れを防ぐ工夫により掃除の手間を減らせます。
表面にコーティングを施したり、撥水加工のある素材を選ぶと液体や油汚れが浸透しにくくなります。
取り外し可能なカバーや汚れが目立ちやすい部分にマットを敷く方法も有効です。
日常的に換気を行い、結露やカビの発生を抑えることも重要です。
小さなシミは早めに中性洗剤で処置すると落ちやすく、放置すると染み込みやすくなる点にご注意ください。
導入前の最終確認

畳コーナーに仕切りを導入する目的を再確認し、来客対応や子育て、ワークスペースなど優先順位を明確にしてください。
採寸は複数箇所で行い、建具の動きや下地の状態も現地で確認することをおすすめします。
素材や色は畳や室内の雰囲気と調和するか、耐久性や手入れのしやすさも合わせて検討してください。
通気性や採光、音漏れ対策など暮らしへの影響も考慮し、必要ならサンプルや模型で最終確認してください。
予算には材料費、金物費、施工費、電動化などの項目を含め、余裕を持った見積もりを取りましょう。
DIYの場合は工具と下地、施工方法の適合性を再確認し、専門工事なら施工会社の資格や保証内容を必ず確認してください。
最後に実際に開閉やロックの動作を確認し、仕上がりに問題がなければ導入を完了してください。